Sacred Tree:A large Podocarpus Nagi
静岡県指定天然記念物 (昭和二十九年一月三十一日指定)
Prefecturally Designated Natural Monument (registered on 29th.Year of Showa Era or 1954)
マキ科の暖地性の常緑樹で雌雄異株
雄木のご神木は樹齢凡そ千三百年。目通り四メートル 樹高十四・七メートル。
社殿によれば、創祀された由緒を記念し、神主中村右京の祖先がなぎの草木を本宮から持参して
植えたという。
第六十六代の神主中村垂高の事実証談に寛政年間(1789~1800)枯れそうになったなぎを祓い清めると若芽が芽生えて立ち栄えたのでご神木にした、とある。
その後、台風で幹が折れ、雨水が入って空洞を生じたが樹勢は旺盛である。
明治32年6月 小松宮彰仁親王がご参拝され臨時大祭が行われた折、
”奇しき老木なり、永く保護せよ”と仰せられた。以来、抜おろしにも県知事の許可を受けている。
御神木になっている老樹は雄木であるが、社殿の左側ほぼ対象の位置に雌木がある。
この雌木には実がなり、それが落ちて若い芽が生えてくる。
古来、人々はこのなぎの色つやが良く生命力に溢れ、引きちぎれない葉の強靭さに神秘的な霊力を感じ、
恩恵の念を抱き、この葉を所持すれば、千代の契りが叶う、招福、災難除けの御守りとした。
また、縁が切れないということで、夫婦和合のお守りにもなっている。
静岡県のふじのくにエンゼルパワースポットとしても登録されている。
昭和29年4月歌人・国文学者の佐佐木信綱博士ご来訪の折、
”天の宮 神のみまへをかしこみと 千とせさもらふ 竹柏の大樹は”
と詠じた。同行した村松治平氏により記念の歌碑が建てられた。
御神木の雄木と対照の西側に
雌木がある。